2010年12月2日木曜日

ZIB訪問記[7分の4]


昨日は残っていたカツレツを朝食に当てたが、この日はまたカフェに行って朝ごはんである。トマトのパイ(1.6ユーロ)とミルクティ(1.5ユーロ)である。やはり、パイはオーブンで暖ため直してくれるのがうれしい。
 昨日の夜から続いた雪のおかげで、ホテルからの景色も一面雪化粧である。

今日は午後に SCIP についての打ち合わせがあるが、午前中は時間があるので、 ZIB の人がベルリンを案内してくれることになった。
ただ、やはり雪は寒いので、まずは C&A というデパート(あるいはデパートの中にあるショップ名?)で帽子を購入。いろいろと帽子があったが2色まで絞り込んだところでどちらがいいかで迷った。ここでドイツ人らしいおばさんが近くにいたので、どっちの色が似合うかを聞いて、そちらの色をチョイス。帽子はだいたい6ユーロから10ユーロ程度。これによって、耳の痛さが取れる。

まずは、バスに乗るのだが、ホテルのあたりからだとバス停が集中しているのはベルリンの Zoo 駅の辺りである。Zoo 駅は S バーンも U バーンもあり、ベルリンの交通の要点の一つである。
(ベルリンは核となる地域が複数あり、中心がどこなのかいいづらい。東京でも渋谷、新宿、池袋などがあるのと同じである)

Zoo 駅前のバス停から乗るかと思ったが、そこを通り過ぎ、Sバーンの駅の北側に回りこむ。すると、そこにもバス停がある。Zoo 駅前から本来は発車(Zoo 駅前のバス停が1番のバス停)だが、ここでも乗れる、つまり0番のバス停、ということらしい。
今回乗る 100 番のルートは観光に適したルートだけあって乗客がとても多いが、この0番のバス停から乗ると空いているので、2階建てバスの最前列というベストポジションを確保できる。
100番ルートは乗っているだけでも観光名所を見て廻れるルートである。

 まずはシーゲスゾイレ。ドイツが昔勝った3つの戦争を記念した塔、とのことである。この次ぐらいに大統領官邸が見えてくる。ドイツは大統領が政治のトップと形式的にはなっているが、実際の権力は首相が持っているので、大統領官邸はちょっとつつましい印象である。
 バスは、連邦会議議事堂(日本でいう国会議事堂)の前を通って、ブランデンブルク門を横に小さく見て、フンボルト大学の前を通過し、世界遺産でもある博物館の島を通って、アレキサンダープラッツの駅へとつながる。
今回は、アレキサンダープラッツの少し前、マリエン教会で降りて、ここから雪の中を歩く。
マリエン教会も古い教会であるが、その前にはクリスマスのマーケットができていて、屋台が並んでいる。
 ちなみに、ここまでくればテレビ塔は徒歩圏内であるが、雪では景色を楽しめないため上らなかった。
 クリスマスマーケットにはたくさんの屋台があって、料理だったり小物だったり、見ているとついつい時間がかかってしまうので危険でもある。
 とは言っても小腹がすいた、ということで一つ食べることになった。パンにベーコンとチーズが挟まっていてパニーニに近い感じだった。周りが雪だけあって、暖かいものはとても美味しかった。
 バスの道を少し戻って博物館の島へ。ベルリン大聖堂はプロテスタントの教会ということであったが、大聖堂というだけあって大きいのが印象に残った。
 次はペルガモン博物館。博物館の島でも大きい博物館である。中にはペルガモン大祭壇が再現されており、これがものすごく大きい。ここの博物館ではオーディオガイドがあるが、日本語も含まれており、入場料を払えばオーディオガイドは別途料金がかからない。日本があるからなのか、この中で日本人グループを見かけた。

 ちなみに、イシュタールの門、という古代バビロンの門もあるが、これも大きい。どうやら大きいものをそのまま再現するのが大好きな博物館なようである。この門は第2次世界大戦のときにあまりの大きさに動かすことができずに、まわりに補強などを施したそうである。左側の一部に爆撃を受けており、それが現在にも残っている。

ペルガモン博物館だけを見るわけにも行かないので、1時間弱であとにして、フリードリヒシュトラーセ駅まであるいて、S バーンで一駅 Brandenburger Tor に着く。駅から出ると、そこはもうすぐにブランデンブルク門。ドイツの象徴のひとつでもある。目の前にクリスマスツリーがドーンとあり、左右にアメリカ大使館とフランス大使館がある。ちなみに、現在の2つの大使館は東ベルリンの位置にある。
ブランデンブルク門のすぐに裏手は東西ベルリンを隔てていたベルリンの壁が建っていたところである。今では一般の車がガンガン通行しており、道路にある2本のラインがベルリンの壁の位置を示しているだけとなっている。
ブランデンブルク門の左手、少し行くと、ユダヤ人犠牲者の記念館がある。黒い箱がいくつも並んでおり、その間を歩くことができるが、ちょっと不思議な気分でもある。長崎の原爆祈念館に行ったときと似たような感覚かもしれない。

ここからさらに少し歩くとポツダム広場がある。ここは統一後の再開発がすでにいきわたっていて、洗練された街並みの印象がある。

ここにはベルリンの壁が一部残されており、触ることさえできる。
ポツダム広場から少し歩くと、ソニーセンターがある。ソニーセンターの中はクリスマスツリーが飾られている。なお、天井の傘は富士山をイメージしたもの、ということであった。
BrandenBurger Tor から U2 で2駅、Stadmitte で U6 に乗り換えて一駅。Kochstr で降りると、そこは東西ベルリンの検問所のひとつであったチェックポイントチャーリーである。この近くには壁博物館があり、そのすこし先に展示でベルリン分割や西ベルリン包囲、ポーランドから始まるドイツ統一への流れなどが示されており、ドイツの近代史を少し勉強できる。

Kochstr で U6 に乗りなおして、2駅南下すると Mehringdamm 駅である。ここで降りてすぐに Curry36 というカリーブルストを売っているお店がある。
カリーブルストはソーセージにカレー粉とケチャップをブレンドしたものをかけて食べるもので、基本的にはスタンドみたいなところで立ち食いである。ここのお店の場合は、ポテトチップもついていてお得である。これでわずか 1.5 ユーロである。日本にもできてほしいものである。

研究打ち合わせが近づいてきたので、MehringdammからU7に乗って Mocken-brucke でU1に乗り換え、さらにWittenberg-patz で U3 に乗り換えて ZIB へと移動。

午後は SCIP での実装方法についてのレクチャーをしてもらい、そのあとでどういった共同研究ができるかを打ち合わせ。
いくつかの方向性を打ち合わせた。

この日は8時から案内をしてくれた研究員の家に招待されてのホームパーティだった。
ドイツのアパートはドイツ人らしく堅牢であったが、中は非常に広くて、何部屋も中にあった。時期が時期だけにクリスマスツリーなども飾られていた。
料理もおいしくて、まずはドイツのスープであるレンズマメを用いたリンゼンズッペ。
メインは大きなハムをまるまる焼いて、それを切り分けてであった。
デザートもチョコケーキで、これも美味しかった。
ドイツ人のホームパーティのすごさを実感してしまった夕食であった。

あと、この日の夕方にフィンエア航空がストライキに入ったことが判明。
帰りの便がキャンセルされてしまう可能性が出てきていたが、ホームパーティから帰ってフィンエア航空のページを確認してみると実際にキャンセルされてしまった。
とりあえず、12時を回っていたので日本に「帰国が1日遅れる可能性あり」というメールだけは先にしておいて寝ることにした。


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