2017年5月16日火曜日

IguanaTex の新しいバージョンと新しいバグ

IguanaTex のバージョンが新しくなっていて、なんとベクター画像を扱えるようになっていた。
いままでは基本的に png で画像ができて、それを貼っていたわけだけど、今度はベクターになるので、拡大や縮小したときにもスムーズにできる。


で、そのベクター画像の機能だけど、変なバグがあるようで、カラーにするとおかしなことが起こる。
たとえば、
\textcolor{red}{ここは赤色}
とかしても、なぜかカラーにならない。
ところが、Vector ではなくて Bitmap にするとちゃんと赤い文字になる。
そのあとでVectorとして画像を生成させると、今度はベクター画像で赤い文字になる。
なかなかに面白い現象だ。

いずれにしても、IguanaTex は beamer の100倍程度の便利さなので、いつまでもなくならないでほしいところだ。

Stochastic subgradient descent method for large-scale robust chance-constrained support vector machines

新しい論文
Stochastic subgradient descent method for large-scale robust chance-constrained support vector machines
https://link.springer.com/article/10.1007/s11590-016-1026-4
について読んでみた。

使っている手法としては、よくある感じのものだった。
ただ、理論的な解析がほとんどないので、どうしたんだろうと思っていたら、解いている最適化問題が非凸最適化問題だった。
したがって、first-order method によくあるような O(1/epsilon) などの収束レートは出てこない。

数値実験を見てみると、非凸最適化の定式化でも、そこそこ最適値を得られるようで、局所的最適解にはちゃんと到達できているのかもしれない。
そのあたりを詳しく解析してみると面白そう。

2017年5月2日火曜日

A doubly inexact interior proximal bundle method for convex optimization

Optimization Online に面白そうな内容が載っていたので、チェック。

A doubly inexact interior proximal bundle method for convex optimization
http://www.optimization-online.org/DB_HTML/2017/04/5960.html

基本的なアイデアとしては、inexact  Level-Set method と内点法を組み合わせたところ。
この中では、最適解に収束する、ということが証明されているが、こういった inexact の解法についてはどれくらいの収束レートになるか、ということを扱っている本があるので、それと合わせると収束レートが分かって面白いかもしれない。
気になるのは、内点法のように超一時収束できるのか、あるいはinexact が効いてあまり収束レートは良くないのか、というところ。

あと、主問題の解を構成していたり、Bregman distance を使っていたりするところは、他にも使ってみたい。

2017年5月1日月曜日

Model Building in Mathematical Programming

Model Building in Mathematical Programming
http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-1118443330.html
をぱらぱらとチェックしてみた。

タイトルにある通り、数理最適化問題にどのように定式化するか、というのがメインだけど、いろんな定式化が載っていて為になる。

たとえば、x = {0} \cup [a, b] \cup {c} のように x の範囲がとびとびになってしまう場合に、どうやると整数計画問題にできるか、など書いてあったりもする。

実際の問題を数理最適化問題にするときには、いろんな定式化があって、どの定式化を選ぶかで計算時間に大きな影響があるので、こういうのを読んでおくっていうのは、いいことなんだろうなぁ、と思ったりする。

というか、日本語訳を出したらいいんじゃないだろうか、とも思う。
できれば最新の第5版で。(いろいろと追加されているし。)