2017年9月8日金曜日

DSDP という良くできたソフトウェア

数理最適化のコアとなる問題は LP であるが、LP に対する数値解法は SDP などに簡単に拡張できるので、LP に対する新しい論文が出てくると「SDP とかsymmetric optimization に使いました」っていう論文は良く出てくる。
面白いと思うのは、symmetric optimization に拡張したからといって、たいていの場合は内点法の時のように新しい知見が得られるわけではない、というところ。

これと同じように full NT direction についての論文も SDP に拡張されたりなど、いろいろと類似の論文がある。
これについては、
A New Full Nesterov–Todd Step Primal–Dual Path-Following Interior-Point Algorithm for Symmetric Optimization
という、簡単に拡張できるところは基本的にカバーしている内容があったりして、参考になる。(つまり、full NT direction でSDPの論文をさらに書くのは新規性の点で難しいってこと。)


ところで、SDP の探索方向には、NT, AHO, HKM といろいろとあるわけだけど、個人的には DSDP が使っている探索方向がベストな探索方向ではないかと思っている。
数理最適化問題の物理的構造を計算に取り込む、という点で非常にうまくできている。実装する時間が見つかれば SDPA/SDPARA に採用したいぐらいだ。これは10年後か20年後の研究に必ず役に立つと思う。





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