2016年1月5日火曜日

20年後の数理最適化はどうなっているか?

今からざっと20年前は内点法がある程度できあがってきた頃。
年初めということで、現在から20年たったら数理最適化の研究はどうなっているかを考えてみるのも一興かとも思う。

大まかな予想としては(一部に、「そうできたらいいなぁ」という願望も含む)、

1.純粋数学に近い研究と実用に近い研究へと、大きく2極化する

たとえば、Math Prog などに掲載されるようなものは、パッとすぐには実用化には結びつかないような、むしろ純粋数学に近いようなところが多くなるかと思う。これはこれで基礎理論として純粋に理論を追究していくタイプになって面白そう。

逆に実用に近いところでは、メタヒューリスティクスのように厳密な最適解ではないが、実用的な計算時間で妥当な近似解を出すようなところが増えるのではないかと思う。これはこれで、実社会への応用が着実に行われて面白いと思う。

2.リアルタイム最適化が行えるようになる

たとえば、分枝限定法などは長時間の計算になるので、計算している途中で変数を追加したり削除したりを行いたくなってくる。
途中のノードの計算結果を見たときに変数と制約の追加や削除を自由に行えるようなアルゴリズムを作れたら、非常に面白い。
これができれば、小さいデータでテストをしながらも、順調に進めば大きなデータにアルゴリズムをリスタートすることなく移行することができるようになる。
たとえば、データの変化を追いかけたい金融のポートフォリオの計算などに使えるかと思う。

3.クラウドソーシングで研究機関が個人からも研究を受注できるようになる

数理最適化分野だけに限る必要はないが、クラウドソーシングを利用することによって、企業のような大組織だけでなく個人からも研究を受注できるようになる。
クラウドソーシングを使うと、もっと気軽に「こういった研究が欲しい」という声を聴ける可能性もあり、今までは把握できなかった研究テーマなどが発掘でできるようになるだけでなく、研究成果をよりダイレクトに還元することができるようになる。
数理最適化や確率・統計などの一部を含むオペレーションズ・リサーチは、「問題解決学」という側面ももっているので、非常に面白そう。


まずは思いつくのはこんなところ。
3については技術的には既に可能なので、20年とかからずとも不思議ではない。

数理最適化に関係するいろんな人が「20年後に数理最適化はどうなっているか」を予測し始めたら、それも見てみたかったりもする。


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